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相続・遺言・離婚・借金問題を解決する熊本の「弁護士法人ときわ法律事務所」

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2020年03月31日 今日のお仕事

昨年、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を求める審判の申立を行いました。

依頼者(A)さんがAさん所有の土地を利用するにあたり、隣地との境界を確定する必要がありました。そのために、隣地の地権者さんに立ち会ってもらう必要があるのですが、登記簿を確認したところ、「明治時代にXさんが購入した」という記録で止まっていました。かなりの確率で、Xさんは亡くなっています。亡くなっていた場合、Xさんの相続人の方々(おそらく何世代もの間に枝分かれして多数いらっしゃる可能性が高い)が、隣地を共有していることになります。
明治時代にはまだ、今のような住民基本台帳の制度はなかったようですし、仮にあったとしても、100年もデータが保存されることはありません。戸籍(改製原戸籍)であれば「慶応〇年出生」といった古い記録まで出てきますが、残念ながら、この方の場合は住所=本籍ではなかったのか、あるいは筆頭者がこの方ではなかったようで、「ご存命かどうか」、「亡くなっているとすればどなたが相続人か」を調べることはできませんでした。
しかし、「隣地の所有者が誰かわからないので、何もできません。諦めてください」ではこちらも困ります。こういった場合のために、「不在者財産管理人」という制度があります。勿論、「所有者がわからないんです」と言うだけで「不在者財産管理人」が選任されてしまい、所有者の知らないうちに財産が処分されていた…などということがあっては大変なので、「調べられる限り調べたけれども誰に権利や管理の権限があるのかわからない」ということは絶対条件です。

よく問題となるのが、「不在者財産管理人」というのは、申立人(この場合はAさん)が解決したい「Aさん所有の土地と隣地との境界問題」のためだけに選任され、この件が解決すれば自動的にお役御免…とはいかない点です。「不在者(この場合はXさん)」が戻ってきたり、「不在者」の権利を引き継ぐ方や「不在者」に代り財産を管理する方が判明するか、「不在者」の物である財産が全てなくならない限り、「不在者財産管理人」の役割は続きます。したがって、申立人(Aさん)の抱える問題が解決しても、いったん選任された「不在者財産管理人」は、「不在者」の財産を管理し続けなければなりません。不在者(Xさん)がご存命かどうか、どなたが相続人かといった調査はし尽くしているので、こうなってしまうと、不在者財産管理人は「隣地を本来の権利者の管理に戻すあてもないまま、ただ隣地を管理する義務を負い続ける」ことになってしまいます。
今回のケースでは、不在者(Xさん)が名義人となっていた隣地を適正額で売却し、売却代金は「不在者財産管理人」の報酬に充て、「不在者(Xさん)名義の財産はもう何もない」状態にして、「不在者財産管理人」のお仕事は終わりました。

民法第25条(不在者の財産の管理)
1 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
2 前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。

関連URL: https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_05/index.html

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