2020年09月15日 今日のお仕事
昨日は,弁護士会での委員会の後,「少年付添人研修」に参加しました。
通常であれば弁護士会の3階(一番大きな部屋)で開催できる程度の人数でしたが,「密」を避けるため熊本城ホールの会議室でした。
S先生が「久しぶりにみんなの顔を見たくてさ」と言っていたのがちょっとかわいかったです。
「少年付添人」というのは,大人の刑事事件での「弁護人」のような役割です。
「少年」というのは「未成年者」を意味していて,女子も含まれます。
大人の刑事事件と同じように,「実際に非行があったかどうか,あったとして具体的にはどんなことがあったのか,少年自身の関わりや責任はどの程度か?」も問題になります。ただ,少年審判の目的は,「やったことに対して適正な罰を課すこと」ではなく,「少年が二度と罪を犯さずに生きていくこと(更生)」にあります。そのため,「やったことは間違いない」と認めているケースなどは特に,「家に帰っても問題なしと認めてもらえるような環境を作る」,「少年本人にも成長してもらう」ことが,活動のメインとなります。前者のためには,保護者と何度も面談をして,今後のためにどういった取り組みが必要か話し合い,今すぐできることがあればすぐに取り掛かってもらう,仕事を探す,学校と話し合うといったことがありますし,後者のためには,何度も少年と会って話し,何が問題だったのか,同じことを繰り返さないためにはどうしたらいいのか?を考えてもらったり,一緒に考えたりします。
熊本では「少年友の会」の活動がさかんです。「少年友の会」の先生方はボランティアで活動されており,家庭裁判所の調停委員を務めていらっしゃる方も多いようです。
熊本の少年審判では,「少年友の会」の先生方が(弁護士の付添人とは別に)付添人をされることもあります。今年担当した案件でも,「少年友の会」の先生方お二人が付添人につきました。この案件では,何度も打合せをして情報を共有しながら,少年本人や家族への働きかけを行いました。
また,熊本には「職親の会」という得難い存在もあります。非行があった,少年審判を受けたという事情を全て承知の上で,少年を雇用し,仕事や居場所を与えるだけでなく,その更生をサポートしてくださる方々です。
少年審判を迎えるまでの間,渦中にいる少年は「少年院には行きたくない。早く家に帰りたい」の一心だろうと思うのですが,少年審判の付添人を務める度,「この子のために,どれだけの人が心を砕き,少しでもよい未来を掴めるようにと考えて動いていることか…」と感じます。そのことが少しでも少年の心に響いて,今すぐでなくともいずれ,何かよいものを生んでくれるといいなと思います。
熊本で離婚問題に強い弁護士へ相談したい方はこちら
通常であれば弁護士会の3階(一番大きな部屋)で開催できる程度の人数でしたが,「密」を避けるため熊本城ホールの会議室でした。
S先生が「久しぶりにみんなの顔を見たくてさ」と言っていたのがちょっとかわいかったです。
「少年付添人」というのは,大人の刑事事件での「弁護人」のような役割です。
「少年」というのは「未成年者」を意味していて,女子も含まれます。
大人の刑事事件と同じように,「実際に非行があったかどうか,あったとして具体的にはどんなことがあったのか,少年自身の関わりや責任はどの程度か?」も問題になります。ただ,少年審判の目的は,「やったことに対して適正な罰を課すこと」ではなく,「少年が二度と罪を犯さずに生きていくこと(更生)」にあります。そのため,「やったことは間違いない」と認めているケースなどは特に,「家に帰っても問題なしと認めてもらえるような環境を作る」,「少年本人にも成長してもらう」ことが,活動のメインとなります。前者のためには,保護者と何度も面談をして,今後のためにどういった取り組みが必要か話し合い,今すぐできることがあればすぐに取り掛かってもらう,仕事を探す,学校と話し合うといったことがありますし,後者のためには,何度も少年と会って話し,何が問題だったのか,同じことを繰り返さないためにはどうしたらいいのか?を考えてもらったり,一緒に考えたりします。
熊本では「少年友の会」の活動がさかんです。「少年友の会」の先生方はボランティアで活動されており,家庭裁判所の調停委員を務めていらっしゃる方も多いようです。
熊本の少年審判では,「少年友の会」の先生方が(弁護士の付添人とは別に)付添人をされることもあります。今年担当した案件でも,「少年友の会」の先生方お二人が付添人につきました。この案件では,何度も打合せをして情報を共有しながら,少年本人や家族への働きかけを行いました。
また,熊本には「職親の会」という得難い存在もあります。非行があった,少年審判を受けたという事情を全て承知の上で,少年を雇用し,仕事や居場所を与えるだけでなく,その更生をサポートしてくださる方々です。
少年審判を迎えるまでの間,渦中にいる少年は「少年院には行きたくない。早く家に帰りたい」の一心だろうと思うのですが,少年審判の付添人を務める度,「この子のために,どれだけの人が心を砕き,少しでもよい未来を掴めるようにと考えて動いていることか…」と感じます。そのことが少しでも少年の心に響いて,今すぐでなくともいずれ,何かよいものを生んでくれるといいなと思います。
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監修
弁護士髙木 紀子(たかぎ のりこ)
熊本県弁護士会所属 56期
依頼された事件を単に処理するだけではなく、依頼してくださる「あなた」の幸せを実現します! 「トラブル」の相手はご本人にとって非常に身近な人です。家族・親族が相手となると,どうしても「気持ち」に関わるところが前面に出てきます。でも,こういったお気持ちに関することを無視してしまうと,ご自身がどうしたいか,どんな形になれば「解決した」,「安心した」と言えるのかも見えず,法律上の問題を解決することもできなくなってしまいます。「この人になら,自分の気持ちを話してもいいかな」,「この人になら,『こうして欲しい』,『そのやり方はちょっと違うような気がする』と遠慮なく言えそうだな」,「わからないことがあっても,遠慮せず質問ができそうだな」と感じていただき,問題を解決する「心強い味方」になることができればと思っています。