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相続・遺言・離婚・借金問題を解決する熊本の「弁護士法人ときわ法律事務所」

相続・遺言・離婚・借金問題を解決する熊本の「弁護士法人ときわ法律事務所」

2021年03月18日 今日のお仕事

札幌地裁で、「民法や戸籍法に、同性カップルの『婚姻』を認める規定を設けていないこと」が憲法14条【法の下の平等】に違反するという内容の判決が出ました。
最近、依頼者の方から「パートナーがイギリス人なので、私たちはイギリスでは法的にもパートナーとして認められた関係です」と伺っていました。
イギリスには「シビル・パートナーシップ」という制度があり、同性カップルは当初「シビル・パートナーシップ」関係は結べても「婚姻」はできなかったのが、どちらもできるようになり、そうなると「同性カップルはシビル・パートナーシップ関係と婚姻関係という二つの選択肢があるのに、異性カップルは婚姻関係しか選べないのはおかしい!」という声があがって、同性カップルも「シビル・パートナーシップ」制度を利用できるようになったようです(※イギリスの法律は全くの専門外なので、理解が誤っているかもしれません)。

今の日本では、同性カップルは「結婚」ができません。したがって、「配偶者が亡くなった場合に、その財産を相続する権利(相続権)」はありませんし、事実婚であっても認められる「遺族年金の受給資格」も認められていません。
ただ、前者については、生前に「パートナーにこの財産を遺す」という遺言を作成しておくことで、ある程度クリアできます。子供、親、兄弟といった相続人がいる場合、相続人の「遺留分」のことは考えておく必要がありますが、兄弟には「遺留分」がないため、「法定相続人が兄弟のみ」という場合は、「全ての財産をパートナーに遺す」という遺言があれば、遺言どおりに財産を引き継げます。
遺言のないまま亡くなってしまうと、財産は全て相続人に引き継がれることになるため、相続人からパートナーへの「贈与」といった形をとらなければ、パートナーの方に財産を遺すことはできません。いろいろと手間ですし、税金の問題も出てきます。少額の現金や預金であればともかく、不動産などは、ただ「あげます」「もらいます」では済まないので、パートナーのためにも、相続権のある方のためにも、生前に遺言を作成しておくことはお勧めです。

なお、「相続」であれば、離婚をした配偶者には相続権がありませんが、こういった遺言を作成した場合、「パートナーとの関係を解消すれば、遺言の効力も当然に失われる」ということにはなりません。その場合には、「遺言者は、令和〇年〇月〇日〇〇法務局所属公証人〇〇作成令和〇年〇〇号の公正証書遺言の全てを撤回する」という遺言を作成したり、その時点での状況や気持ちに応じた新しい遺言を作ることが必要です。遺言は自筆でも作れますし、「撤回する」というだけの遺言であればそれほど複雑ではないので、こういった場合はひとまず「撤回する」という自筆証書遺言を作成しておくのがよいかと思います。


憲法14条1項「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」

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監修

弁護士髙木 紀子(たかぎ のりこ)

熊本県弁護士会所属 56期

依頼された事件を単に処理するだけではなく、依頼してくださる「あなた」の幸せを実現します! 「トラブル」の相手はご本人にとって非常に身近な人です。家族・親族が相手となると,どうしても「気持ち」に関わるところが前面に出てきます。でも,こういったお気持ちに関することを無視してしまうと,ご自身がどうしたいか,どんな形になれば「解決した」,「安心した」と言えるのかも見えず,法律上の問題を解決することもできなくなってしまいます。「この人になら,自分の気持ちを話してもいいかな」,「この人になら,『こうして欲しい』,『そのやり方はちょっと違うような気がする』と遠慮なく言えそうだな」,「わからないことがあっても,遠慮せず質問ができそうだな」と感じていただき,問題を解決する「心強い味方」になることができればと思っています。

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