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相続・遺言・離婚・借金問題を解決する熊本の「弁護士法人ときわ法律事務所」

相続・遺言・離婚・借金問題を解決する熊本の「弁護士法人ときわ法律事務所」

2020年04月06日 借金問題

「公正証書」を作ってお金の支払を約束していたが,約束どおりの支払をしなかったり
お金を借りて返済の約束をしていたけれど,返済ができずに訴えを起こされ,「判決」が出た
といった場合,預金や保険などの財産を押さえられたり,給与を差し押さえられることが考えられます。

給与は,基本的に「このお金がないと生活できない,生きていけない」というお金なので,「全額」を差し押さえることができません。
差し押さえることができるのは,税金や社会保険料などを控除した後の「4分の1」までとされています。
「給与からそんなに引かれてしまっては生活ができない」という趣旨からの制限なので,お給料の額が多い人の場合,「4分の1」以上を差し押さえても生活が成り立つはず…ということにもなります。そこで,上記の「税金や社会保険料を控除した残金」が44万円を超える人の場合は,「4分の1」までではなく,33万円を超える金額を差し押さえてよいことになっています。
※ 支払うべきお金が「婚姻費用」や「養育費」である場合は,差押ができる範囲も広くなり,倍になります。
原則として,上記手取り額の「2分の1」までが,差押の対象
上記手取り額が「66万円」を超える場合,「33万円を超える額」が差押の対象

給与のうち「4分の3」までは手元に残しておけますよ?と言われても,そもそもの給与額が少なければ,「4分の1」も減ったら生活が成り立たない…ということも考えられます。養わないといけない家族が多いなど,やむを得ない事情を抱えているケースもあるかもしれません。
そのため,差押を受けた側から,「差押を受ける給与の範囲を減らしてください」と申し立てることができるようになっています。
2020年4月1日以降は,差押命令と一緒に,「差押を受ける給与の範囲を減らす」手続についての説明も,送られてくるようになりました。
また,これまでは「差押命令が届いてから1週間が経過」すれば,給与から取立をすることができましたが,2020年4月1日以降は,「差押命令が届いてから4週間が経過」しないと,取立ができないことになりました。差押を受けた人に,「差押を受ける給与の範囲を減らして欲しい」という手続をとる時間的な余裕ができたことになります。

なお,支払うべきお金が「婚姻費用」,「養育費」といったお金である場合,差押をする側にとっても,お金が入って来るかどうかは死活問題です。婚姻費用や養育費は,生きていれば日々必要なお金であり,本来は「月々支払う」べきものです。
そのため,この場合は,これまでどおり「差押命令が届いてから1週間が経過」すれば,お給料からの取立ができることになっています。


とはいえ…
差押を受けるところまでいってしまうと,差押そのものを「やめてもらう」のは非常に困難です。
差押をする側としても,「一向に支払ってもらえず,ここまで時間も手間もかけた」,「ここで手を緩めたら,また支払ってもらえなくなるに違いない」という気持ちでいますから,「約束したお金を全て返してしまう」とか「破産や個人再生の申立をして,裁判所が決定を出した」といったことにでもならないと,差押は止まりません。
「差押の範囲を減らす」手続についても,申立をすれば必ず言い分が認めてもらえるわけではありません。
また,お給料を差し押さえられると,勤務先にも「差押命令」が届きますし,(上記手取り額の)4分の1を計算して,その金額は従業員本人ではなく差押をした人に振り込んで…といった手間もかけることになります。「差押命令が届いたから解雇!」などということはないにしても,居心地の悪い気持ちになることは避けられないかと思います。
そのため,「差押」という事態になる「前」に対応しておくのがベターです。
公正証書を作成しており,その時点で送達を受けていたような場合は別ですが,「金融機関からお金を借りた」といった場合,通常は公正証書まで作成していないでしょうから,「差押」に至るまでに,裁判所から支払督促や訴状,判決などが少なくとも2回は届くはずです。突然「差押」がやってくることは,基本的にありません。
裁判所から何か書類が届いたような場合,この時点でご相談をいただいていれば,「給与差押」にまで至らずに済ませることができるかもしれません。
早めのご相談をお勧めします。

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監修

弁護士髙木 紀子(たかぎ のりこ)

熊本県弁護士会所属 56期

依頼された事件を単に処理するだけではなく、依頼してくださる「あなた」の幸せを実現します! 「トラブル」の相手はご本人にとって非常に身近な人です。家族・親族が相手となると,どうしても「気持ち」に関わるところが前面に出てきます。でも,こういったお気持ちに関することを無視してしまうと,ご自身がどうしたいか,どんな形になれば「解決した」,「安心した」と言えるのかも見えず,法律上の問題を解決することもできなくなってしまいます。「この人になら,自分の気持ちを話してもいいかな」,「この人になら,『こうして欲しい』,『そのやり方はちょっと違うような気がする』と遠慮なく言えそうだな」,「わからないことがあっても,遠慮せず質問ができそうだな」と感じていただき,問題を解決する「心強い味方」になることができればと思っています。

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