新型コロナの影響を受けて，生活や事業が立ち行かなくなった，これまでは問題なく返済ができていたのに…というご相談が増えてきています。

１　裁判所への申立はできる？
申立を行い，受け付けてもらうことはできます。

４月１７日，緊急事態宣言の対象が全国に拡大されたことを受けて，５月１日（金）までに予定されていた裁判所の期日が全て「取消」となりました。これは，熊本に限らず全国的な対応のようで，今後の状況によっては，「取消」となる期間が延びる可能性もあります。
しかし，裁判所が完全に無人となり，動きを止めてしまうわけではありません（少なくとも４月１７日時点の予定では）。そのため，申立を行うことはできます。
ただ，裁判所での「三密」を防ぐため，期日を取り消すだけでなく職員の出勤も減らすといった対応もしているので，通常よりもスピードは落ちるかと思います。

２　裁判所には行かないといけない？
現在（４月１７日時点），５月１日（金）までに予定されていた集団免責審尋や債権者集会は，期日を取り消すことができないため予定どおり開かれるものの，「出席はしないでください」という扱いになっています。どちらも，「破産」という手続を進める上では絶対に必要なプロセスですが，これを開くと「三密」が避けられないためです。
５月７日（木）以降も，こういった期日を開く際は，「三密」を避けるために，通常とは異なる方法がとられる可能性が高いと思います。

３　それ以外の影響は？
「弁護士への依頼」を行った時点で，いったん返済は止めていただくことになります。以降は，債権者側もご本人に直接連絡をしたり，督促をすることはできなくなります。
金融機関側も軒並み，営業を縮小している模様です。保険会社などから必要な資料を取り寄せようとしても，「しばらく休業します」という会社も増えています。そのため，申立の準備も「なかなか進まない」ということも出て来るでしょう。
ただ，返済が停止し，借入先への対応を弁護士に委ねることができれば，実生活での負担はかなり軽くなるはずです。
ただでさえストレスの多い状況ですから，第三者に対応を任せることのできる問題は委ねてしまい，生活の維持と立て直しに注力されるのが得策かと思います。


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