電話 熊本県熊本市中央区花畑町1-7 MY熊本ビル3F (MAP) 

相続・遺言・離婚・借金問題を解決する熊本の「弁護士法人ときわ法律事務所」

相続・遺言・離婚・借金問題を解決する熊本の「弁護士法人ときわ法律事務所」

2020年04月16日

1 一般的な進め方 通常,調停の際は,当事者はそれぞれ待合室で待機し,事件を担当する調停委員のいる部屋に代わる代わる入室して,交代で話をします。
待合室は「申立人」用と「相手方」用で分かれているため,基本的には,申立人と相手方が同じ部屋で顔を突き合わせるような事態にはなりません。ただ,話し合いがまとまり「調停成立」となった場合は,一つの部屋に調停委員会(裁判官+調停委員2名)と担当書記官,申立人と相手方(代理人がいれば代理人も)が一堂に会した状態で,裁判官が調停条項(合意した内容)を読み上げ,「今読み上げた内容で合意が成立したということでよろしいですか?」と当事者双方に確認します。
代理人がいないケースでは,調停を始める前に,申立人にも相手方にも入室してもらい,調停手続についての説明などを同時に行う運用もあるようです。
2 相手と顔を合わせずに済む配慮も 離婚調停で,「配偶者からDVを受けていた」という主張があるケースなどでは,当事者どうしができる限り顔を合わせることのないような配慮を受けられます。
「話し合い」のために調停に来たのに,ここで暴力が振るわれるようなことがあってはなりませんし,DV加害者(=配偶者)と顔を合わせたり,「顔を合わせるのではないか…」と思うだけでも,動揺して精神的に不安定になったり,話ができなくなってしまったり…ということもあるからです。
待合室の階を分ける(たとえば,申立人は2階の申立人用待合室,相手方は3階の相手方用待合室)場合もありますし,調停の部屋を2階と3階に一つずつ確保して,当事者には「待合室」ではなく初めからこの部屋に入ってもらい,調停委員の方がこの2つの部屋を行き来して話をするという場合もあります。こういった場合,家庭裁判所の建物を出入りする際などに顔を合わせてしまうことのないように,申立人と相手方で呼び出しの時刻をずらしたり,相手方の呼出を先にして,担当書記官の方が「相手方が部屋に入った」ことを確認するまでは申立人と代理人は代理人事務所で待機し,「相手方が入室しました」という連絡を受けてから移動するといったこともあります。
これは,「地裁でDVの保護命令が出ている」,「警察沙汰になった」というケース「限定」の対応ではありません。裁判所に対し,暴力や精神的虐待,夫婦の関係や申立人の精神状態などをある程度具体的に説明した上で,「このような対応や配慮をお願いしたい」と伝えれば,対応してもらえます(DVがあったという事情が伝わるだけで,裁判所の側から「こういった配慮をしましょうか?」と申出を受けられることもあるかと思います)。
こういった場合,調停が成立した際も,申立人と相手方が同じ部屋に入り,裁判官が「調停条項」を読み上げるのを一緒に聞くということにはなりません。それぞれ別の部屋で,別々に調停条項の読み上げを聞き,双方ともが「その内容で間違いありません」と言うのを確認できた時点で「調停成立」となります。
3 新型コロナの感染予防対策として 令和2年4月より,熊本家裁の調停では,新型コロナの感染予防対策として,待合室は利用されず,「申立人」と「相手方」は初めから別々の部屋に案内され,調停委員が二つの部屋を行き来する方法がとられています。
今日は,1年以上続いた遺産分割調停が成立したのですが,申立人と相手方は日常的に顔を合わせて会話もする関係で,通常であれば「できる限り顔を合わせないように」といった配慮を求めるようなことはないのですが,初めから別々の部屋に通されて調停委員が行き来する方法がとられ,裁判官が「調停条項」を読み上げる際も別々でした。
現在はどの調停でも,この方法がとられているようです。
この方法をとると,通常であれば「一つの調停に一つの部屋」を用意すればよいところ,倍の部屋数が必要になるので,1日に開くことのできる調停の件数が半減します。 通常,調停の期日は一か月に1回程度のペースで入っていきますが,今後しばらくはペースがもっとゆっくりになり,「次の調停は2か月後」といったことが続くかもしれません。
※ 4月17日(金),4月20日(月)~5月1日(金)に予定されていた裁判所の全期日が取消となりました。変更後の期日は,5月7日(木)以降,裁判所から連絡があることになっていますが,今後の状況によっては,期日が取消となる期間が延びることも考えられます。


熊本で離婚問題に強い弁護士へ相談したい方はこちら

監修

弁護士髙木 紀子(たかぎ のりこ)

熊本県弁護士会所属 56期

依頼された事件を単に処理するだけではなく、依頼してくださる「あなた」の幸せを実現します! 「トラブル」の相手はご本人にとって非常に身近な人です。家族・親族が相手となると,どうしても「気持ち」に関わるところが前面に出てきます。でも,こういったお気持ちに関することを無視してしまうと,ご自身がどうしたいか,どんな形になれば「解決した」,「安心した」と言えるのかも見えず,法律上の問題を解決することもできなくなってしまいます。「この人になら,自分の気持ちを話してもいいかな」,「この人になら,『こうして欲しい』,『そのやり方はちょっと違うような気がする』と遠慮なく言えそうだな」,「わからないことがあっても,遠慮せず質問ができそうだな」と感じていただき,問題を解決する「心強い味方」になることができればと思っています。

Copyright tokiwa-law.info All Rights Reserved.
通信中です...しばらくお待ち下さい