2022年06月30日 相続・遺言
Q 死亡保険金は遺産分割の対象になる?
A 原則として,死亡保険金は遺産分割の対象とはなりませんが,例外はあります。
なお,ここでは,契約者(=被相続人)が保険契約において特定の人物を「受取人」としていたケースを問題とします。
保険契約において「相続人」あるいは「契約者本人(=被相続人)」を受取人と指定した場合には,相続人全員に,死亡保険金に対する権利があります。
【原則:死亡保険金は遺産ではない】
原則を言うならば、死亡保険金は「遺産」ではなく、相続人全員による遺産分割の対象とはなりません。
受取人は、死亡保険金の全額を受け取ることができ、これを他の相続人と分ける必要はありません。「死亡保険金を受け取ったから」という理由で、遺産の取分が減ることもありません。
【例外:死亡保険金が遺産分割の対象に加わることがある】
「保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となると解するのが相当である」という最高裁判例(最高裁第二小法廷平成16年10月29日決定)があります。
では、どんな事情があれば「特段の事情」ありとして、死亡保険金が遺産分割の対象となるでしょうか?
以下のような事情を総合的に考慮した上での判断となります。
・死亡保険金の金額
・「遺産(死亡保険金を除く)の総額」に占める「死亡保険金の額」の割合
・被相続人と受取人の関係性、受取人と他の相続人との関係性など
・受取人と他の相続人それぞれの生活実態
たとえば、「遺産総額は5000万円だが死亡保険金は4500万円で、死亡保険金が高額かつ遺産総額に近い金額。さらに、他の相続人と比べて受取人が被相続人のために特に尽くした(ex.同居して長年にわたり一人で介護を担ってきた)等の事情がない」といった場合、「特段の事情」が認められる可能性は高まりそうです。
A 原則として,死亡保険金は遺産分割の対象とはなりませんが,例外はあります。
なお,ここでは,契約者(=被相続人)が保険契約において特定の人物を「受取人」としていたケースを問題とします。
保険契約において「相続人」あるいは「契約者本人(=被相続人)」を受取人と指定した場合には,相続人全員に,死亡保険金に対する権利があります。
【原則:死亡保険金は遺産ではない】
原則を言うならば、死亡保険金は「遺産」ではなく、相続人全員による遺産分割の対象とはなりません。
受取人は、死亡保険金の全額を受け取ることができ、これを他の相続人と分ける必要はありません。「死亡保険金を受け取ったから」という理由で、遺産の取分が減ることもありません。
【例外:死亡保険金が遺産分割の対象に加わることがある】
「保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となると解するのが相当である」という最高裁判例(最高裁第二小法廷平成16年10月29日決定)があります。
では、どんな事情があれば「特段の事情」ありとして、死亡保険金が遺産分割の対象となるでしょうか?
以下のような事情を総合的に考慮した上での判断となります。
・死亡保険金の金額
・「遺産(死亡保険金を除く)の総額」に占める「死亡保険金の額」の割合
・被相続人と受取人の関係性、受取人と他の相続人との関係性など
・受取人と他の相続人それぞれの生活実態
たとえば、「遺産総額は5000万円だが死亡保険金は4500万円で、死亡保険金が高額かつ遺産総額に近い金額。さらに、他の相続人と比べて受取人が被相続人のために特に尽くした(ex.同居して長年にわたり一人で介護を担ってきた)等の事情がない」といった場合、「特段の事情」が認められる可能性は高まりそうです。