電話 熊本県熊本市中央区花畑町1-7 MY熊本ビル3F (MAP) 

相続・遺言・離婚・借金問題を解決する熊本の「弁護士法人ときわ法律事務所」

相続・遺言・離婚・借金問題を解決する熊本の「弁護士法人ときわ法律事務所」

2019年04月25日 遺留分減殺請求

Fさんは、二人姉妹の長女です。Fさんは、結婚した後も実家に住み、長く患ったご両親の介護や看病も担ってきました。
次女でありFさんの妹であるGさんは、結婚を機に遠方で暮らすようになっており、ご両親の介護には全く関わっていません。また、Gさんのご主人が事業に失敗して借金を負ったため、お父さんが援助をしたこともありました。こういった事情から、Fさんのお父さんは常々「自宅はFさんに遺したい」と話しており、「自宅以外にはたいした財産もないから」ということで、「全ての財産をFさんに相続させる」という公正証書遺言を作成しました。
お父さんが亡くなった後、FさんがGさんに遺言のことを話すと、Gさんは感情的になり、「お父さんは小さいころからお姉ちゃんばっかりかわいがっていた」「お父さんやお母さんが元気なころは子育てを手伝ってもらったはずだし、家にもタダで住んでいたのだから、介護をするのは当たり前。それで家がもらえるのはずるい」と反発しました。そして、自宅に戻った後、弁護士に依頼をして、遺留分減殺請求の内容証明を送り、訴訟も起こしました。
Fさんとしても、遺留分にあたる金額を支払う気持ちはあったのですが、Gさんが「私は援助なんて受けてない」と言ったり、「お父さんの口座を見たら、たくさんお金が引き出されていた。Fさんが自分のものにしたに違いない」などと主張してくるため、精神的に参ってしまい、「とても対応しきれない」と依頼に至りました。
 
この件では、お父さんが几帳面な方で、昔の通帳なども保管されており、お父さんからGさんにお金を振り込んだ証拠も見つけることができました。また、お父さんの口座からの出金状況も、とりたてておかしなところはありませんでした。Gさんが既に遺産の前渡しも受けていることも考慮の上で、FさんからGさんに多少の金額を支払い、和解により解決することができました。
(当時を振り返って)
お話を伺っていると、Fさんには相当なご負担があっただろうと感じましたが、Fさんは「後悔なく親を見送ることができてよかった」とおっしゃっていました。Fさんがあまり苦労を表に出さないこと、Gさんとはかなり年が離れていたこと、Gさんは遠方に住んでいたことなどから、Gさんにとっては、Fさんの苦労はあまり目に入らず、親と同居することのメリットや「お姉ちゃんはいつもお父さん、お母さんの側にいられる。羨ましい」という気持ちが大きかったのかもしれません。
 「妹と争わなければならない」ということにFさんは随分苦しまれました。どなたもそうですが、今はお幸せでありますようにと願っています。
Copyright tokiwa-law.info All Rights Reserved.
通信中です...しばらくお待ち下さい